第65回毎日書道展開幕
第65回毎日書道展が7月10日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した。記念展を祝う式典の後、高円宮妃久子さまが鑑賞されるなど伝統の書道展は、特別展示「手島右卿の書芸術-その世界性」の人気もあり、連日、熱心な書道ファンでにぎわった。六本木会場では8月4日まで前後期4期に分けて作品を陳列、7月17日には、もう一つの会場、上野・東京都美術館でも始まり、東京展入選作品などが23日まで展示された。出品の全作品を対象にした最高賞「文部科学大臣賞」に書燈社顧問、船本芳雲毎日書道会理事(71)=神奈川県鎌倉市=の近代詩文書作品が選ばれた。21日の表彰式で、下村博文文科相から表彰状が手渡された。式には会員賞、毎日賞などの入賞者約2000人が顔を揃え、さらに来賓、関係者も出席し盛大な祝賀会も催された。第65回展の公募点数は、31000点を超し、第58回展から8年連続して3万点以上の作品が寄せられ、書道展の基盤が定着していることを証明した。
開幕日の10日、国立新美術館展示室入り口で、オープニングの式典が松井玉筝毎日書道会監事の司会進行で行われ、まず、朝比奈豊毎日書道会理事長(毎日新聞社社長)、が大勢の来場者を前に「昭和23年の第1回展の公募点数はわずか638点、いま、3万点を超す日本最大の書道展に大きく花開き、書道史に輝かしい足跡を刻んでいる。今年も芸術性の高い作品が出品され、華やかな現代書が展示された。じっくりご覧下さい」と開会のあいさつ、国立新美術館の青木保館長、石飛博光実行委員長、仲川恭司特別展示実行委員長、糸賀靖夫毎日書道会専務理事とともにテープにハサミを入れた。
その後、書に強い関心をお持ちの高円宮妃久子さまが会場を訪れ、まず、石飛実行委員長の説明を受け、毎日展の会員賞の作品や船本さんの大臣賞作品などを時間をかけて鑑賞された。文化功労者、故手島右卿さんの作品が展示された会場にも足を運び仲川特別展示実行委員長の解説を聞きながら「どのような筆を使用しているのですか」「筆の流れ、すごいですね」などと話され、専門的な質問をしながら、作品を見て回った。